MacBook Pro with Retina Displayを買いました
これまでの投稿を読み返してみて愕然としました……。私、プログラミングのことしか書いてない!大変だ。このままだと、プログラミングだけの人間だと思われちゃう!遙か昔の私がまだ若かった頃、会社の後輩の女の子に「Javaでファイル出力する方法を教えてください」と言われて、「StreamはDecoration Patternを活用していてね」と説明しだしてなかなか理解してもらえず(質問と回答が一致していないのだから当たり前)、気が付いたらオブジェクト指向の説明を開始していて、最終的には半狂乱でFM-7のYAMAUCHIコマンドについて語ってしまい、実に正確に私という人間を理解していただけた過去がよみがえってきちゃう。
何かないかなにかないかナニカナイカ?そうだ、この前買った、私の自慢のMacBook Pro with Retina Displayの話をしよう!
購入理由
さて、人生を投げっぱなしジャーマンでうっちゃっている私ですから、収入の大部分はためらいなくPC関係につぎ込んでおります。で、この「関係」の部分には、スマートフォンやタブレットが入ります。
で、今時のスマートフォンやタブレットって、とても画面が綺麗なんですよね。RetinaディスプレイをうたっているiPhoneと新しいiPadはもちろん、最近のAndroidもWindows Phoneも、老眼を理由にレーシック手術を断られた私の目にはピクセルを区別出来ないくらいに、解像度が高いんです。
だから、普段使っているPCに不満が出てしまいした。以前の私は、ThinkPad T420sを愛用しており、1600x900の解像度のディスプレイに高さ12ピクセル(WindowsやUbuntuでの9.0ポイント)の文字を表示して、そのソース・コードの閲覧性の高さに大変満足していおりました。しかし、スマートフォンやタブレットを常用した結果、高さ12ピクセルではあまりに文字が汚いとの結論に至ってしまったのです。昔の私は、FM-7の640x200のディスプレイで高さ8ピクセル(行間の1ピクセル込み)の文字でアセンブラ・プログラミングで大喜びしていたのにね……。
そこで、エディタのフォントを14ピクセル(WindowsやUbuntuでの10.5ポイント)に変更したのですが、そうなると今度は一度に表示できる文字数が減って困っちゃう。そもそも、本当はフォントのサイズを16ピクセル(WindowsやUbuntuでの12.0ポイント)くらいに大きくしたい。でも、そうすると画面が狭くなっちゃう……。
以上のように悩んでいたところに発表されたのが、2880x1800の高解像度ディスプレイを持つMacBook Pro with Retina Displayでした。これなら文字を16ピクセル、行間を8ピクセルに設定しても、画面上に75行も表示できる!と、よく考えたような何も考えていないような理由で、MacBook Pro with Retina Displayの購入を決意してしまいましたとさ。本当にイキオイだけで生きているなぁ、私って。
セットアップ
買った以上は使わなければなりません。以下、参考になるかどうかは分かりませんが、MacBook Pro with Retina Displayにセットアップした内容を書いておきます。
画面の設定は、1920x1200相当で
MacBook Pro with Retina Displayでの画面は、以下のように設定しました(海外在住なもんで、言語は英語にしています。なんか格好良いような気もしますし)。
メニューやアイコンなど、直接プログラミングとは関係しない要素が画面上に占める割合を小さくするために、一番デスクトップが広くなるモードに設定しました。この設定だと、1920x1200相当の広さ、ピクセルの数は通常の場合の1.5倍になります。エディタに12ピクセルの文字を表示させるように設定すれば、実際には16ピクセルの高密度で表示されるわけですな。
App Storeからセットアップしたソフトウェア
App Storeからセットアップしたソフトウェアは以下の通り。
NumbersとPages、Keynoteは、Retina未対応かつ趣味PCにオフィス製品は不要と言うことで、ライセンスはあるのですけれどもセットアップはしませんでした。Retina Display目当てで買ったのですから、Retina Displayに対応していないソフトウェアは完全無視です。
ダウンロードしてセットアップしたソフトウェア
インターネットからダウンロードしてセットアップしたソフトウェアは、以下の通りです。
ATOK 2012
DropBox 1.4.11
Google Chrome Canary
Haskell Platform 2012.2.0.0 64bit
KeyRemap4MacBook 7.7.0
MacPorts 2.1.1
RVM 1.14.5
VLC 2.0.2
CanaryがつかないGoogle Chromeは、まだRetinaに対応していかったので、Canaryの方をセットアップしました。今のところ、Canaryでも特に問題なし。あと、RVMを使用して、Rubyの最新版を入れました。
上のソフトウェアの中で、DropboxだけはMacBook Pro with Retina Displayでの動作がおかしいです。Dropboxのフォルダのアイコンが、以下のように表示されてしまします。
同期のステータスを表している部分が、左下に小さく表示されてしまっています。実害はないので、まぁ、よしとしましょう。
KeyRemap4MacBookについては、後述します。
MacPortsでセットアップしたソフトウェア
Homebrewはダウンロード先がバラバラで、ベトナムからだとびっくりするくらい時間がかかるサーバーを見に行くことがあるので、オープンソースのパッケージ管理はMacPortsにしました。
MacPortsでセットアップしたソフトウェアは、以下の通りです。
leiningen @1.6.1.1_0 (active)
postgresql91 @9.1.4_0 (active)
postgresql91-server @9.1.4_0 (active)
autoconf @2.69_0 (active)
automake @1.12.1_0 (active)
emacs-app @24.1_0+fullscreen+inline+patches (active)
Clojure大好きなので、まずはLeiningen(Clojure用のビルド・ツール)です。RDBMSは、SQLが標準準拠で機能豊富という理由でPostgreSQL。あとは、愛するEmacsです。
このEmacsは、ツールバーとかはRetina未対応(リソースが準備されていない)ですが、文字部分はRetina対応(とにかくすげー綺麗)です。というわけで、文字が綺麗なエディタでプログラミングするぞという購入目的は、Emacsでクリア。
で、このEmacsのセットアップがらみで、一点注意を。emacs-app 24.1_0にinlineパッチ(IME使用中もEmacsの操作ができるようにするパッチ)を当てる場合は、私の環境ではautoconfとautomakeが必要でした(入ってないと、コンパイルでエラーになっちゃう)。というわけで、まぁ、特に使う目的は無いのですけれど、上のリストにはautoconfとautomakeが入っています。
Emacs!
油がのりまくったおっさんである私のメインの開発環境は、あのEmacsです(ちなみに、本格的にEmacsを使い出したのは1年くらい前ですけど)。なので、Emacsを中心の環境に設定しました。
まずは、普段のキーバインド。KeyRemap4MacBookで以下の設定をして、Emacs以外のアプリケーションでもEmacsライクな操作ができるようにしました。
その上で、Emacaの設定です。標準という言葉を信じてpackage.elを使用し、marmaladeから以下のelispパッケージをセットアップしました。
anything 1.287 installed open anything / QuickSilver-like candidate-selection framework anything-config 0.4.1 installed Predefined configurations for `anything.el' clojure-mode 1.11.5 installed Major mode for Clojure code clojure-project... 1.0 installed Extends project-mode for Clojure projects clojure-test-mode 1.6.0 installed Minor mode for Clojure tests csharp-mode 0.8.6 installed C# mode derived mode haskell-mode 2.8.0 installed Haskell editing mode levenshtein 1.0 installed Edit distance between two strings. project-mode 1.0 installed Define code projects. Full-text search, etc. slime 20100404.1 installed Superior Lisp Interaction Mode for Emacs slime-repl 20100404 installed Read-Eval-Print Loop written in Emacs Lisp
csharp-modeが入っているのは、前々回の投稿のプログラムをEmacsで書いたため(プログラムが正しいかの確認はUbuntu上のmonoで実施しましたので、MacPorts経由のmonoはまだセットアップしていません)。
その上で、RVMのRubyのソース中に含まれるruby-modeを、以下のコマンドで~/.emacs.d/elispにシンボリック・リンクしました。
cd ~/.emacs.d/elisp ln -s ../../.rvm/src/ruby-1.9.3-p194/misc ruby-mode
さて、残るはEmacsの初期化スクリプトだけ。これは、現在私が使用しているものをgithubで管理していますので、そちらをご参照ください(お金を払っていないので、誰も見ていないのに無駄に公開中です。大した設定はしていませんから、あまり参考にはならないと思いますが)。
参考:私のEmacsの初期化スクリプト。
https://github.com/tailisland/emacs.d
所感
最後に、2週間使ってみた感想を。
とにかく画面が綺麗です。画面に見とれてプログラミングの生産性が下がっちゃうくらいキレイ。解像度が高いのと視野角が広いのとが合わさって、画面に写真が張り付いているのかと勘違いしちゃうレベルです。都会にお住まいの方は、ぜひApple Storeでじっくり見てみてください。ベトナム在住の人は私のところで。女性の見学者(できれば、YAMAUCHIコマンドに理解のある方)希望です。
処理速度はやたらと速いです。私のは2.6GHz(SSDは512GB)のモデルで、作業中のストレスは全く感じません(Emacsしか使っていないのですから、そりゃ負荷が低すぎてストレスを感じないのも当たり前ですが)。巷間で噂されていたカクツキとかも、私の老化した鈍い感覚では全くわかりません。あと、私のMacBook Pro with Retina Displayには、やはり巷で騒がれていた残像の問題もありませんでした。
持ち運びの際に軽いか重いかというと、重たいです。ショルダー・バッグに入れるとずっしりきます。でも、今のところ毎日通勤時に持ち運んでいます。2週の間、平日は毎日持ち歩きましたが、肩が痛いとか腰の骨がずれたとか身長が縮んじゃったとかいう悪影響はまだ出ていません。だって、ThinkPad T420sと200グラムくらいしか違わないんですしね。
キーボードは普通(よりちょっと良い)。デスクトップPCで使用している東プレやThinkPad T420s(どちらも最高レベル)と比べれば少し打ちづらいと感じるものの、十分に許容できるレベルです。実際に、これでプログラムとか文章とかを書いているわけですしね。
ただし、一点だけ難点があります。外観が美しいので、取り扱いではとにかくやたらと気を遣うんですよ。実は私は今、社員旅行(ベトナムにはまだこの習慣があります)でベトナムの片田舎に旅行中なのですけれど、傷を付けるのが怖くてMacBookPro with Retina Displayは持ってこれませんでした……。
というわけで、実はこの投稿の途中からは、旅先に持ってきたThinPad T420s(OSはUbuntu 12.04 LTS)で書いています。T420sは頑丈ですげぇですな。キーボード打ちやすいし。え?フォントを大きくしたら一度に表示できる行数が少なくなっちゃうんじゃないかって?その程度の問題は、一行で表現可能な量が大きな言語(少ない行数で多くの処理を書けるClojureとかRubyとかHaskellとか)を使えば解消できるんだよ!
あれ?自分で自分を否定しちゃった……。
とはいえ、持ち運びに気を遣うという点以外は、MacBook Pro with Retina Displayは最高のPCですよ。そんなとってつけたような発言は信じられないという方は、お手数ですが、以下の画面キャプチャをオリジナルのサイズで見てみてください。
MacBook Pro with Retina Displayならば、これだけの情報をわずか15インチの中に表示できるんです。広い画面を持つMacBook Pro with Retina Displayは、無条件で素晴らしいでしょ?